「上海にはスターバックスがたくさんあって助かるけど、なんか味が違うね。豆が違うのかな?」。先日、上海に来たお客さんの言葉である。豆が違うのではない、水がまずいのである。まさか水道水をそのまま使用しているのでは、と疑いたくなる。
上海の水は汚いことで有名である。バスタブにお湯を溜めると、茶色いお湯が溜まって浸かる気にならないほどだ。しかも臭いがひどい。よって少しでも色と臭いを消すために入浴剤を使用している。通常の喫茶店では、その汚い水道水を使ってコーヒーを作るので、美味しくないのは当然である。コーヒーならまだ良 い。これがお茶だともっとひどいことになる。水が悪いため、香りがしないのだ。お茶独特の渋みも感じられない。通常の飲食店はもちろん、お茶専門の茶芸館 のようなところでも、平気で水道水を使っていることもある。せっかく高い茶葉であるにもかかわらず。
以前、上海の日本料理店に対して、お茶に関するリサーチを実施したことがあった。お客さんに提供するお茶の種類をヒアリングしたが、ほうじ茶、玄米茶を提 供する店が多く日本茶を提供する店は少ない。お客さんが日本茶の提供を望んでいるかを尋ねたところ、返ってきた回答は「問題は提供するお茶の種類ではな く、使用する水ですよ。水が良ければお茶の種類は関係ないのでは?」というものであった。その通りであろう。その店の店主曰く、通常は市販の水を使用する ようにしているとのことだが、店主の目が届かないところでは、スタッフが勝手に水道水を沸かした物を使用するため苦労しているらしい。
昨今は、浄水器メーカが参入しており、現在、既に3、4社の日系企業が販売を行っている。特に日本人には好評であり、日本人住居に浄水器が取り付けられて いることが珍しくなくなった。そして住居だけではなく、飲食店でも設置されている。多くの日本料理店への設置も行われており、浄水器を通した水を沸かして 使用するため、味は良くなった(ように思える)。あるメーカは、浄水器を使用していることを告知する販促物を料理店に配っており、お客さんへのアピールを 実施している。ただ、フィルターの交換時期が遅いと水は元通り臭くなり、その水で研いだお米は臭くなってしまう。従業員に対して、早めの交換を促すような 教育が必要になってくる。
通常食べている、中華料理店のスープ類はどうであろうか?調味料で誤魔化されているため分かりにくいが、当然ながら水道水を利用していると考えられる。考 え出すとキリがないが、いつも美味しいと飲んでいるスープの水が水道水だと考えると嫌になってしまう。せめて中、高級店だけでも、いち早く浄水器を設置し て欲しいものだ。
我が家は当然ながら、自宅において市販の水を使用している。コーヒー、お茶、スープ類はもちろん、米を研ぐ時、麺を茹でる時にも使用している。最も美味し いコーヒーは我が家の市販の水で作るコーヒーであると断言できる。スターバックスをはじめ、The Coffee Bean、Wagasなど多くのコーヒーチェーンが参入している上海。市販の水、もしくは浄水器を通した水を「売り」にするチェーンが現れても面白いかも しれない。
情報提供:
2009/02/23 更新
筆者:岩崎剛人(いわさき たけと)
1971年5月 東京都生まれ
1995年4月 日本たばこ産業株式会社(JT)入社。アグリ事業部にて2つの新規事業に携わる。
2004年1月 株式会社矢野経済研究所に入社。
2004年6月 上海に赴任し、上海代表処を設立。
2007年3月 矢野経済信息諮詢(上海)有限公司を設立し、董事総経理に就任
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